ずいぶんとご無沙汰してしまいました。いよいよ家探し、学校入学手続き(母と子どもたち)が本格化してきて、バタバタとしています。
ボストン郊外 住宅事情
家賃
私たちの引っ越し先であるボストン郊外は、アメリカの中でも家賃が高いことで知られています。ニューヨークの次くらいに高い、とも聞いたことがあります。
特に我々は家族向け(母1人、子ども2人)のアパートなので、まぁ高いのなんのって! 3,000ドル(2023年7月現在、約41.5万円)を切るアパートを探す方が難しい、という状況でした。
(もちろん、すべての地域がそんなに高いわけではないと思います。我々は小学校の学区のなるべく良いところ、というしばりをかけて探したのでそうなった、ということだと思います。)
居住人数に対する最低限の間取りが決まっている
後述する日系の不動産屋さんに教えてもらって初めて知ったのですが、マサチューセッツ州では、衛生上の観点で、ベッドルームの数に対して住める人数の上限があるんだそうです。
以下、Boston Housing Authority(BHA)が出しているベッドルーム数と人数の下限・上限。見つけられなかったのですが、私たちは母子3人で1ベッドルームのアパートへの入居が認められたので、たぶん子どもはカウントの仕方が違うのでしょうね…
Number of Bedrooms (ベッドルーム数) | Min. Persons/Apt. (アパート毎の下限人数) | Max. Persons/Apt. (アパート毎の上限人数) |
0 BR | 1 | 1 |
1 BR | 1 | 2 |
2 BR | 2 | 4 |
3 BR | 3 | 6 |
4 BR | 4 | 8 |
5 BR | 5 | 10 |
6 BR | 6 | 12 |
ちなみに1ベッドルームというのは、日本でいう「1LDK」、2ベッドルームは「2LDK」にあたるのかなと思います。ボストン郊外はアメリカの他の地域に比べると狭い家が多いようですが、それでも日本の同等の間取りに比べると十分広いように感じました。
建物が古い。洗濯機は共用のところが多い。
地震がないからでしょうか、全体的に建物の築年数が古いボストン郊外。不動産屋さんによれば、古い建物で漏水の可能性があることもあって、洗濯機は各部屋ではなく、アパートの地下などに共有の洗濯スペースがあることが多いそうです。
慣れてしまえば大したことないかもしれないですが、日本の暮らしに慣れていると、ちょっと不便に感じそうですよね…
物件が少ない。物件が出るは7~8月の期間限定…。
子どもたちの小学校の申し込みが、住所が決まらないとできないということもあって、なるべく早く家を決めたかったのですが、ボストン近辺の特殊事情として
- 学生が非常に多い
- そのため、学校が始まる9月1日に入居し、8月31日に契約終了するパターンが非常に多い
- 大家さんへの退去通知は1か月前
そのため、5月・6月の段階では物件がほとんどなく、7月・8月に一気に出て、8月後半にはほとんどなくなる、という動きをするようです。
我が家は9月から学校、という、アメリカの動きに合わせましたが、日本の暦に合わせて4月に転入を考えている方は、選択肢が狭くなるのかもしれません。
不動産屋さん、どうする?
マサチューセッツ州では、物件は日本と同様に共通のデータベースで管理されていて、どの不動産屋さん経由で頼んでも、同じ家賃で契約できるようです。
また、マサチューセッツでは、不動産屋さんが仲介手数料を取ります(取らない州もあるらしく、他の州からマサチューセッツに引っ越してくる際に仲介手数料を取られて、憤慨するアメリカ人もいるらしい)。家賃の1か月分が目安になっているようで、これは日本とだいたい同じですね。
さて、Apartment.com などでさまざまな物件を見ていた私ですが、英語で賃貸契約のやり取りをする自信はさすがになく、途方に暮れていたところ、エイブル ボストン店なるものがあることを発見。ドキドキしながら連絡を取ったところ、子連れ留学(夫不在)というわけのわからない状況の我が家も快く受け入れてくれ、アメリカの賃貸事情などについて詳しく教えてくれました。自分でネットで調べているだけでは到底知りえなかった情報も多く、やっぱり日本との商習慣の違いを理解してくれている日系の不動産屋さんはありがたいなぁと思いました。
個人家主か、企業運営のアパートか
賃貸の物件には主に2種類あって、1.個人家主さんの物件、2.企業が運営している物件 に大別されるようです。それぞれ、特徴は以下のような感じ。
個人家主の物件
- 比較的、家賃が安い傾向
- 修理依頼への対応ぶりが、家主さんによってさまざま(反応が悪い場合もある)
- 入居日や退去日など、融通が利く場合もある
- 大家さんの方針によって、渡米したばかりの外国人は受け入れない、などの独自のポリシーがある場合も
企業所有の物件
- 家賃は高めの傾向
- 修理依頼への対応が迅速(一応、24時間365日と謳っているが、実際はどうなのか不明…)
- プールやジムなど、共有スペースが充実している場合も
- 手続きがもろもろシステム化されている(入居申し込みや家賃の支払いなど)
我々は、学生の身分(就労できない)で乗り込むこともあって、とにかく家賃重視で行きたかったのですが、私たちが探していたタイミングでは個人家主さんの家でよい物件を見つけられず、またひとつ候補に上っていたところも内覧したところメンテナンス面で不安があって、結局企業経営のアパートにしました。アメリカ滞在歴が長くなって慣れてくれば、個人家主さんと交渉したりとかもできるようになるのでしょうが、初のアメリカ暮らし、しかも子連れ、ということもあり、安全サイドに立ちました。
家賃の3倍の収入、もしくは預金残高が必要
物件を借りるには、月々の家賃の3倍以上の月収があるか、1年分の家賃の3倍以上の年収があることを証明する必要があります。学生などで収入がない場合には、1年分の家賃の3倍以上(月々の家賃の36倍以上)の預金額があることを証明する必要があります。
お仕事で行かれる場合には、会社からお給料の証明書を出してもらう必要があると思います。学生の場合には、銀行が発行する預金証明が、英語・ドル建てで必要になります(預金証明の手続きも別途書きたいと思います)。
なお、預金残高は1つの銀行にまとまっている必要はありません。複数の銀行から預金証明を取り寄せて、その合計が家賃の36倍以上になっていれば大丈夫です。また、銀行の名義は契約者本人のものである必要があります(私の場合そういわれたのですが、未成年の学生などではまたルールが違うはず)。
審査
個人家主さんの場合にも、企業運営の場合にも、申込書と必要書類(パスポート、ビザ、給与証明/残高証明)を出した後、審査が行われます。
審査の結果、入居が認められると、契約書の取り交わしや敷金の支払い等へと進みます。
初月は3か月分準備が必要 ←敷金+仲介手数料+初月家賃
敷金も日本と同様にあって、私は保証人がいない状態だったので、これも家賃の1か月分になりました(いたらもう少し安かったみたい…)。先述したように、不動産屋に支払う仲介手数料も1か月分、初月家賃を含めると、初月は3か月分の家賃が必要になることになります。
せっかく家賃の36倍のお金をかき集めていた銀行口座ですが、こうしてあっという間に残高が減っていくのでした…。残高証明は、瞬間最大値、という感じですね…
ちなみに、敷金は日本と同様、よっぽどのことがなければ返ってくるみたいデス。
契約書のサイン
アメリカ生活の拠点となるお家のことですから、契約書の読み込みは慎重に、十分に。しかし、契約書の言葉って、日本語であっても難しいものです。英語だとなおさら…なので、ここでも日系の不動産屋さんが非常にありがたかったです。読み合わせの機会をもらい、よく理解してから(我が家の場合は、日本と違っていてびっくり!という条項は特にはなかったです)サインをすることができました。
家財保険
私が選んだ物件では、入居にあたって、家財保険への加入が義務付けられていました。$100,000以上の補償金額のものに、自分で入って、その書類を提出してね、というもの。
保険関係については、いろいろと調査中でもあり、また自動車保険等と一緒に改めて記事にしたいと思います。
最大の懸案だった家探しがどうにか片付き、いいお家かどうかは住み始めてみないとわからないものの、ともかくひと段落。住所が決まらないと小学校への転入手続きも何もできないこともあり、焦りましたが、ボストン近郊はその土地柄、時機を待つしかなさそうです。アメリカで家探し中の皆さまが、よい物件に巡り合えますように祈っています!