留学のための英語資格試験といえば、TOEFLかIELTSか、と思われると思いますが（過去記事「IELTS受験（準備編）：TOEFL vs. IELTS」参照）、実はもうひとつ、Duolingo English Testという選択肢も最近できつつあること、ご存じでしたか？
TOEFL・IELTSはコンピュータ形式でもペーパー形式でもテストセンターでの受験が原則なのに対し、Duolingo English Testは自宅から受験できる英語資格です。しかも受験料が安い！
今回はそんなDuolingo English Testについて私の体験を元にご紹介します。
Duolingo English Testとは
Duolingo English Testは、語学学習アプリを提供するDuolingo社が、2016年に開発したテストだそうです（参考：Duolingo English Test 「Our Story」）。TOEFLは1964年、IELTSは1989年に始まっていることを考えると、非常に新しい英語資格試験と言えます。
特長1：受験料が安い
Duolingo English Testの最大の利点は、なんといっても受験料が安いこと。比較してみると以下の通りです。
| TOEFL | 245ドル（約36,000円） |
| IELTS | 25,380円 |
| Duolingo English Test | 49ドル＋税（約7,900円） |
Duolingo English Testの「Our Story」内のビデオでも語られているように、この新しいテストのそもそもの開発のモチベーションが、「英語資格試験へのハードルを下げる」ということで、受験料を安く設定するというのは、そのために非常に重要な条件だったようです。他と比較して約4分の1、約3分の1という圧倒的な安さは、Duolingo English Testの非常に大きな魅力です。
特長2：採点は48時間以内
受験後、あっという間に結果が返ってくる、というのもDuolingo English Testの大きな特徴です。TOEFL、IELTSと比較すると以下のとおり。
| 試験名 | 公式 | 私の経験上 |
| TOEFL | 受験後4－8日後にMy Pageでスコア確認 受験後約11日後にスコアレポート発送 | – |
| IETLS ペーパー形式 | 試験日の13日後に発送 | – |
| IELTS コンピュータ形式 | 試験日の3－5日後に発送 | 4日後にMy Pageで結果確認 6日後に証明書着 |
| Duolingo English Test | 48時間以内 | 約5時間後 |
受験から約5時間後に「あなたの試験の採点が終了しました」とメールが来たのにはもうびっくり！！ おそらく人間ではなくAIが採点しているのかな、と思いますが、圧倒的なスピードです。
特長3：自宅で受験可能
自宅で受験できる、というのも、Duolingo English Testの大きな利点ですね。テスト会場への移動が省けるだけでなく、好きなタイミングで受験できるので、早朝とか深夜とか、自分のライフスタイルに合わせられるのも嬉しいです。また、試験は60分くらいで終わるので、負担も非常に軽いです。
ただ、「自宅で受験できる」＝「不正の可能性が高まる」ということで、不正対策のため、結果が認定されるための条件はかなり厳しいです。私はこれで泣きました。次項参照。
Duolingo English Test受験時の注意
Duolingo English Testの受験時の規則はこちら。非常に厳格で、実は私は2度も結果が認定されず、やり直しになりました。規則の中で私の経験上やってしまいそうな違反について、以下ご紹介します。
画面から目をそらさない
私は考えるとき、上の方を見る癖があります。スピーキングテストの時、無意識にカメラから目線を外して上の方を見ていたようで、それが理由で結果が認定されませんでした。その時のメッセージがこちら。
| あなたは画面から長い間目をそらしていました。再度テストを受験してください。そして、テスト全体を通して、常にコンピューターの画面を見ていなければなりません。 |
考えるときや喋るとき、無意識に視線が泳ぐ人って結構いると思うのですが、Duolingo English Testではそれが原因で結果が認定されない可能性がありますので、受験前にPCのカメラから目をそらさずに1～2分英語で喋って録画する、というのを練習したほうが良いと思います。
ヘッドホンやイヤホンはNG・髪型にも注意
ヘッドホンやイヤホンは使用不可です。また、試験中はずっと耳を見せて、ヘッドホン・イヤホンを装着していないことを証明しなくてはならないので、髪の毛で耳が隠れてしまう場合には、ピンやゴムを準備しておく必要があります。
私の場合はBluetooth接続のスピーカーフォンを使っていましたが、それは特に問題になりませんでした。ノートパソコンのスピーカーやマイクがしょぼい場合には、スピーカーフォンを使うのが良いでしょう。
画面共有・リモートアクセスができるソフトウェア禁止
在宅勤務をする方はきっとオフィスのPCにリモートアクセスするためのツールや、Zoom、Teamsなどの画面共有が可能になるアプリがPC上に載っていると思いますが、これもDuolingo English Testでは禁止されています。
アプリが終了していれば問題ないだろうと思ったのですが、実はバックグラウンドで動いているものもあったようで、それが感知されたようです。PCの立ち上げと同時にバックグラウンドで立ち上がっているアプリもありますので、バックグラウンドアプリも含めて停止のうえ受験してください。
テストが認定されなかったら
上記の違反が見つかった場合、Duolingo English Testから「あなたのテストを認定できませんでした。」という不幸のメールが送られてきます。一度目は、普通に再受験が促されますが、二回テストの不認定の通知が来てしまうと、「テストの試行回数が多すぎます。」として、テスト自体が無効になり、受験料も没収されてしまいます。
納得がいかない場合には、「異議申し立て」を行うことができます。（異議申し立ての詳細はこちらのQ＆Aを参照）
私の場合、My Pageの言語を英語にしていたので、異議申し立ても英語じゃなきゃダメな気がしてしまって英語で頑張って書いたのですが、日本語でも大丈夫そうです。納得がいかないときは遠慮せず異議申し立てをするのが良いと思います。
以上、Duolingo English Testについてでした。安くて速い、とてもありがたい英語資格試験ですので、希望の留学先がDuolingo English Testを受け入れている場合には、ぜひ利用してくださいね。
