自動車の国アメリカ。NYシティとか、ダウンタウンのど真ん中に住むならともかく、郊外に住むなら学校に行くにしても買い物をするにしても車がなくては始まりません。
というわけで、到着後早々に中古車を購入すべく、リサーチを進めていました。なんだかんだ結構難航しましたので、記録を残しておきます。
よい中古車とは?
お金がない子連れ貧乏学生の私、当初は安い車があればそれでいいや、と思っていたのですが、安くて古い、走行距離がいっている車には以下のリスクがあることをディーラーさんから教えてもらいました。
- 故障リスクがある。修理費用がかかる可能性がある。
- 自動車保険料が高くなる。
- 帰国時に売ろうとしても、ほぼ1銭にもならないと考えたほうが良い。
一方で、そこそこの車を買っておけば、1年乗ったところで半値以下になることはない、ということを教えてもらい、であればボロボロの車を買ってもそこそこの車を買っても最終的な負担額はあまり変わらないなと考え、初期投資こそ必要になりますが、安全性も考慮して「そこそこの車」を探すことにしました。
日本でもそうですが、アメリカでも半導体不足の影響で中古車市場は高騰しており、「そこそこの車」というのはおおむね22,000ドル以上の車を指すようです。円安の現在(1ドル146円前後…涙)、日本円だとだいたい320万円くらいです。高い!! なんだったら新車とそんなに変わらないケースもあります。。
中古車の値段に影響してくるのが、製造年(新しいほうが高い)と走行距離(少ないほうが高い)。
中古車のサイトを見ていると、10万マイル(16万キロ!)を超えるとさすがにがくっと安くなるようです。中古車の適性が走行距離については、AutoFlexというサイトのWhat Is Good Mileage For A Used Car?という記事が参考になりました。年間12,000マイル以下の走行であれば、まぁ普通に使われていた車だ、と考えてよいようです。
最終的にわけがわからなくなってきたので、Googleで「Best Used Cars」とかで調べて、出てきた以下のようなサイトを参考に車種・年代・走行距離・値段あたりの条件を絞っていきました。
契約締結と、支払い
アメリカは個人間での売買も盛んなようですが、さすがに初めてのアメリカ生活で自動車購入の手順もわかっていないので、安全をとって中古車専用のディーラーから購入することにしました。
上記で紹介したUSNewsやAutoblogのサイトで、よさげな車種を見つけたら、郵便番号を入れると自宅近くにあるディーラーのうち、欲しい車種が在庫にあるディーラーの一覧が出てきます。年代や走行距離などをチェックして、これが良いかな、と思うものがあれば、コンタクトしてみましょう。
ディーラーにコンタクトすると、たいていの場合、速攻で電話かメールがきます。私の場合は「今日これから来れる?」と聞かれて、いや、さすがにそれは…、となりました。
ディーラーにいったら、まずはその車の事故歴等が記された書類を見せてもらえました。
アメリカでは、車一台一台にVIN(Vihicle Identification Number)という番号が割り振られていて、VINで検索するとその車の所有歴(何年に出荷されて何州に何年あったか、など)や事故歴などが見られるようになっています。個人でも、料金を支払えば事故歴を検索することができるようになっているようです。今回ディーラーでの購入だったので、ディーラーの方から見せてくれましたが、個人売買の時はたぶん自分でお金を払って事故歴がないかを確認することになるんでしょうね。
実際に車を見せてもらって(「裏の山で保管してたから、ホコリっぽくてごめんよ」といって、草だらけの車が出てきた笑。さすがアメリカ。「引き渡しの時にはきれいにしておくからさ」と言われて、どうだか、と思ってましたが、さすがに納車の時はちゃんとキレイになってました。)、特に問題なさそうだったので、購入する意思をその場でお伝え。契約書にサインをして、頭金5万ドルをお支払いし、残金分を銀行にいって Bank Check を出してもらうように指示されました。
チェックというもの自体にまだまだ慣れないのですが、どうも個人が出す Personal Check と、銀行やクレジット会社が出す Bank Check (Cashier’s Check) というのがあって、個人が出す Personal Check だと残金の確認やなんやかんやに時間がかかって、着金が遅くなるらしいのです。対して、Bank Check は銀行の窓口にいって出してもらうチェックなので、あらかじめ銀行の審査も済んでいて、着金が早いんだそう。
Bank Check を出してもらうにあたっては、写真付きの身分証明書が必要です。私の場合はパスポートを出したのですが、もう1個必要だから、あなたの名前が入っているクレジットカードはないか、と言われて、当時アメリカのカードがなかったので日本のクレジットカードを出したら、それでOKとなりました。
Bank Check をディーラーに出して、これでもう翌日くらいには車受け取れるかな? などと思っていたのですが、ここからが長かった…。
自動車保険に入る
マサチューセッツ州では、車の所有にあたっては自動車保険への加入が必須です。自動車保険に入っていることを、保険会社が証明してくれて初めて、車の所有権が認められます。
日本でもそうですが、アメリカでも各種保険会社がさまざまな商品でしのぎを削っています。ざっと調べてもどこがどうとかわからなかったので、英語の勉強として聴いていたアメリカのPodcast のCMで耳なじみのあった、Progressive を選択して加入しました(自動車保険についてはまた機会があれば書きます)。
自動車保険会社に加入すると、ディーラーが「RMV form 1」と呼ばれる、「Registration and Title Application」という書類を記入して、まずは保険会社に送ります。保険会社は、書類に記された新しい所有者が確かに自分のところの自動車保険に加入していることを確認し、サインをします。
私の場合はここでつまづきまして、手続きが遅れたのですが、その原因が「免許証番号」でした。私はマサチューセッツ州の免許は持っていなくて、国際免許で運転していたのですが、保険に加入するとき、免許証番号の入力が求められたので、国際免許に記された長い長い番号を入力しておいたのです。ところが、ディーラーが記入したRMV form 1 には、免許証番号のところに私のパスポート番号を書いていたらしいのです。そこが不一致だったので、通常は即日、数時間でサインをして返してくれるはずのRMV form 1が、たなざらしになっていたらしい。
不備があるなら連絡してくれればいいものを、そういう親切なシステムはないらしく、ディーラーの担当者から電話がかかってきて、「保険会社から書類が返ってこない。何かが起こっているのかもしれないから、保険会社に電話して確認してくれ」と言われまして。当時は保険会社とディーラーでどんな書類をやり取りしているかもよくわかっていなかったので、保険会社に電話して、つたない英語で「よくわからないけど、サインしてほしい書類が戻ってこないから確認してほしい」的なことをいって、2-3回たらいまわしにされて、それでようやく免許証番号の欄が不一致でこんなことになっていたんだ、ということが理解できました。
結局、私のほうで自動車保険の登録内容を変更して、免許証番号をパスポート番号に直し、ディーラーが改めてRMV form 1を再提出して(すでに提出済みの書類では受け付けないらしい…。なかなかのお役所仕事ですね…)、ようやく問題解決。ディーラーが保険会社サイン済みのRMV form 1 をRMV (Registry of Motor Vehicles) という、運輸局?的なお役所に提出して、ようやく車の所有権が私のものになり、車のナンバープレートが発行されました。
納車後の手続き
ようやく車を引き取って、やれやれ、ようやくこれで万事解決、と思ったら、ディーラーのお兄さんがまたまた不吉なことを。「車の所有権を手に入れてから7日以内に、ステッカー(シール)を貼ってね?」というのです。「シール??」というと、「ガソリンスタンドでやってもらえるよ」と…。
とりあえず、帰ってから検索しましょう、と思って、ググったところ、マサチューセッツ州が規定するInspection(点検、車検)のことだとわかりました。マサチューセッツ州では、車検を受けたことを示すシールを貼らずに走行していると、違反として取り締まりの対象になっているそうです。
RMVのサイトの Vehicle inspection のページに、車検に対応している店舗の紹介があったので、近くのガソリンスタンド兼自動車修理工場に行ってきました。ディーラーさんから渡されていた車検証と、現金35ドル(アメリカにきてから現金を使ったのはこの時が初めてでした! 一応持っていてよかった~)をおじさんに渡すと、「15分くらいかかるから!そこにいて!」と言われました。日本の車検をイメージして、こっからどうやって家に帰るんだろう、Uberか? とか思いながら来たので、15分と聞いて拍子抜け。州の規定にある、通り一遍のことをささっとみてくれて、「はい、おしまい!!」という感じでシールの貼られた車が返ってきました。
Certificate of Title(名義証明書)が届く
車が来てから2-3週間後、忘れたころに、RMVから封書が届きました。中身は「Certificate of Title(名義証明書)」。これは大事に保管しておいて、車を売却するときに売り手と買い手でサインをする必要があるようです。
かかった費用のまとめ
- 車代(トヨタカローラ、セダン、2020年):20,500ドル
- DOS Fee(日本から輸入するときの関税っぽい):699ドル
- 税金:1,324.94ドル(6.25%ほどかかってますね…)
- Title Fee(名義代):75ドル
- Registration Fee(登録代):60ドル
- 合計:22,658.94ドル也
日本円に換算するのはやめておきます…。円安のバカ…
かかった時間のまとめ
ディーラーに行って契約締結してから、車の引き渡しまで2週間と1日…。長かった…。RMVや保険会社の手続きが週末止まってしまい、途中3連休もあったので、非常に長い道のりでした。