TOEFLにするかIELTSにするかの逡巡を経て(IELTS受験(準備編1)記事参照)、IELTS受験を決めた私。IELTSの構成を分析し、それぞれについての対策を決めていきました。
ところで以降で対策を論じるにあたって、私のスコアを示しておいたほうがレベル感がわかると思うので、恥ずかしながら2022年6月時点の私のスコアを公開しちゃいます。
Listening | 7.5 |
Reading | 7.5 |
Writing | 6.0 |
Speaking | 6.5 |
Overall | 7.0 |
めっちゃすごいスコアでもなく、まぁ普通のIELTS受験者、といったところです。以下の対策はたとえばOverall 8.0以上を狙ったものではありませんので、悪しからず。
IELTS Reading対策
IELTS Academic の Reading パートは長文3つで40問・60分。過去問を見てみると、設問はほぼ文章の順番の通りになっているし、どの設問がどのパラグラフに対応しているのかも比較的簡単に想像できます。というわけで結論としては、
センター試験/共通テストをくぐりぬけてきた日本人なら、ほぼ無対策でOK ※もちろん状況は人によって違うと思いますので、自己責任でお願いしますね!
コツとしては、
- 60分40問は時間的にタイトなので、「拾い読み」を意識する
- 先に問題を読む →答えの場所の検討をつけながら文章内をサーチ
- 読んでいくうちに答えを見つけたらそのたびに解答する(文章を最後まで読み切らない)
- 知らない単語があっても気にしない
- 時間の感覚をつかむためにも、過去問は時間を計って数回やっておくべし
IELTS対策はやるべきことがたくさんあって、Reading対策をじっくりやる暇はたぶんないと思います。日本の英語教育ではReadingはきちんとやっていると思うので、その蓄積を信じて、他の対策に時間を取りましょう。
ちなみに、IELTSが公開している2021年の「Test Taker Performance」では、公開されている40か国のうち、日本はOver All(総合得点)では34位ですが、Readingに関しては30位でした(それでも低いけど、まぁしょうがない、日本人が英語勉強するのはそれだけ難しいということだもの)。
IELTS Listening対策
Listening対策としては、まぁ一番は耳を鍛えることでしょう。とにかく毎日英語を聞くことに尽きると思います。
でもこれは現代の生活ではけっこう簡単で、楽しいYouTubeもたくさんあるし、Podcastにも事欠きません。自分の興味のある分野のYouTube ChannelやPodcastを見つければ、楽しく耳を英語に慣らすことができると思います。(私のおすすめのYouTube ChannelやPodcastについてもいずれ記事を書きたいと思います。)
英語に耳が慣れていることが前提で、IELTSに特化した注意点としては、
実戦練習あるのみ。何度も過去問を解いておくこと!
IELTSは、会話にしてもモノローグにしても音声は一度きりしか流れないため、いったん流れを見失うとパニックに陥り、それ以降の問題全滅、ということもあり得ます。そうならないためにも、「冷静さを失わない」、聞き取れなかったときは「スパッと諦めて次の問題に集中する」といったマインドのほうが重要になると思います。
また実践的なTipsとしては、いろんなアクセントの英語に耳を鳴らしておくこと。
先ほど言ったYouTubeやPodcastを探すときにも、アメリカのものばかりではなく、イギリスやオーストラリア発のチャンネルやコンテンツも意識して探してみるとよいと思います。
IELTS Writing対策
Writing…。Speakingと並んで大きな関門です。先ほどあげた「Test Taker Performance 2021」でも、Writingだけが唯一、日本人受験者だけでなく全受験者の平均スコアが、6.0を下回っています。それだけWritingは点数が出にくいということ。
ちなみに学校によっては、「Overallで7.0以上、全セクションのスコアが6.0以上であること」といった条件を課している場合もあるので、例えばReadingとListeningで8.0を出してOverallが7.0を取っていたとしても、Writing(やSpeaking)で5.5や5.0だったらダメ、ということになります…。
IELTS Academic のWritingでは、
- グラフや図表を見て要約、150語以上
- お題に対して自分の意見を述べる、250語以上
- 2題合計で60分
という構成になっています。2問目の「お題に対して自分の意見を述べる」系の問題は、大学入試等で経験された方もいるかもしれませんが、1問目の「グラフや図表を見て要約」はIELTS Academic独特の出題で、必ず対策が必要になると思います。
私が選択したのは、All Ears English の 3 Keys IELTS Online Course、その時はちょうどWritingのみのコースが売り出されていたので、そちらを受講しました(こちらの受講体験記についてはまた別記事にしたいと思います)。
3 Keys IELTS の Writingモジュールでは、IELTS Academicに特化したフォーマット/テンプレートや、使える単語、フレーズが詰め込まれており、とても役に立ちました。が、けちって添削サービスを利用しなかったのがちょっと後悔したポイント。
実は私、試験当日はWritingけっこうさらさら書けて、「これは7.0いっただろう」と思ったんです。が、結果はすでに書きましたとおり、Writingは6.0でした…。1回でも添削サービス使っておいたら、「このくらい書けたらこのくらいのスコア」という感覚が身についたのにな、と、結果受け取った後で思った次第。まぁでも、添削サービスめっちゃ高いので、二の足踏みますよね…。
で、私の結論としては、
Writingは独学では苦しい。何かしら専門のコースの受講が必要。万全を期すなら、添削サービスも必要。
まぁこれももちろん個々人の状況によりますが、私の経験からいうとそんな感じです。
IELTS Speaking対策
Speaking!! 日本人の鬼門ですよね。
またまた「Test Taker Performance 2021」からの引用ですが、Overall で40か国中34位の日本、Speakingスコアでは堂々の39位!!(涙) そりゃあそうよ、学校で英語のしゃべり方なんて習わなかったもの…。
私の場合は、実は「IELTSのSpeaking」という意味では対策らしい対策をしていなかったのですが、英会話という意味では、IELTS受験時点ですでに1年半近く、Camblyというサービスでネイティブの講師と週に30分×3回、英語でおしゃべりする習慣を身に着けていました(Camblyについては別記事で書きます)。ので、「時々詰まるけど、まぁまぁ意思の疎通は英語でできますよ」というレベルでした。
が、受験当日に痛感したのは、
英会話とSpeaking試験は全然違う
ということ。TOEFLと違って試験官がいて、頷いてくれているとはいえ、言葉に詰まると講師が助け舟を出してくれるオンライン英会話とは違い、言葉に詰まったらそのまま気まずい沈黙が流れ続けるのは精神的にキツいものがあります。また、試験独特の緊張感で、いつもは細かな文法ミスも気にせずノリと勢いで喋るところ、「あ、しまった、今のは過去形にしなきゃだった!」「三単現のSを忘れた!」などと細かなミスが意識されてしまい、試験中からずぶずぶと落ち込んでしまいました。
自信満々だったWritingと対照的に、Speakingの後はもういなくなってしまいたいくらいの気分でしたが、結果はSpeaking 6.5。まぁまぁの及第点だったわけで、ここから得られる教訓は、
心の鍛錬がとっても大事
ということに尽きると思います。
具体的には、もちろんSpeakingの模擬試験みたいなのに参加してフィードバックをもらえるならそれが一番とは思いますが、「自分の声を録音して、自分で聞いてみる」も非常に大事と思います。自分の声を聞くのって、たとえ日本語でも抵抗感ありますよね。それを拙い英語でやるとなると、もうめっちゃ恥ずかしいし辛い気持ちになると思いますが、試験の最中に消えていなくなりたい気分になるよりはマシ、と思って、毎日コツコツ続けるとよいと思います。
SpeakingのPart2では2分程度ひとり語りをしなくてはいけませんが、最初から2分間しゃべり続けて録音するのはかなり難しいと思うので、まずはPart1の一問一答の答えの部分の吹き込みから始めるのが良いかもしれません。
以上、各パート毎の私なりの対策案でした。参考になれば幸いです。