アメリカの病院に無保険でいってきた

アメリカ暮らし

母が留学ビザ(F-1ビザ)、子どもたちがその帯同家族(F-2ビザ)で渡米していた我が家。私自身については、コミュニティ・カレッジ経由で強制的に保険に入らされたのですが、残念ながらその保険には家族分を補償するプランがなく。渡米準備前のドタバタで、とてもじゃないけどアメリカの複雑怪奇な健康保険制度を理解する時間も気力もなかったこともあり、えーい、日本の保険で済むなら日本の保険にしてしまえ!ということで、子どもたちについては海外留学保険のみをかけて渡米していました。

でも結果的には、やっぱりアメリカの保険を買うべきだったなぁ、と思うことがいくつかあり、旅行保険のみで1年アメリカに滞在して経験したこと、感じたことを2回に分けて書いていきます。

海外留学保険 t@biho(ジェイアイ傷害火災保険)

比較的長期(だいたい最長1年での契約で、商品によっては複数年継続できるものもあるようです)の海外旅行に使える海外旅行保険サービスは各社出していますが、いくつか見たなかでリーズナブルに感じた、ジェイアイ傷害火災保険のt@biho に加入しました。今回、親は現地の保険に別途入っていて、t@bihoに加入するのは9歳と6歳の子どもだけ、というイレギュラーな状況だったので、ちゃんと入れるか心配しましたが、特に問題なく入ることができました(ただし、「留学保険」なので、子どもたちの現地の小学校名を登録する必要があった)。

特約はいろいろあって迷いましたが、歯科特約は私が死ぬ気で子どもたちの歯を磨く!(万が一虫歯になったら帰る!)と決意し、なしに。ただ、もしも留学を切り上げて帰国しなくてはならないような重いけが・病気をしたときは夫に迎えに来てもらわないと無理だろうと思ったので、救援の補償は厚めにしました。

1年間の保険料は、218,000円(2023年7月契約時点)。私がコミュニティ・カレッジ経由で入っていた保険料は1年間で3,461ドル(2023年秋学期時点)だったので、日本円にすると約50万円(1ドル約144~145円の場合)。現地で入るよりは安く済んだのかな、という感触でした(ちなみに私は一度も病院に行かなかったので、この50万円はただの安心料でした)。ただ、、実際には旅行保険は医療費の請求がなかなかややこしく、請求を諦めざるを得なかった場面もあり、もし病院に頻繁に通う事態になっていたら、現地の保険の方が結果的に安く済んだ可能性はあります。

子どもたちの小児科初診 ー> 保険適応外

かかりつけ医探しと、初診予約

小学校編入への手続きや、(結局利用しなかったけど)放課後の預かりプログラム申し込み、学校の遠足やサマーキャンプなど何かにつけて聞かれるのが、「子どもたちのかかりつけ医」。渡米前に用意していた転入の書類には日本のかかりつけの小児科の名前や住所を書いていたですが、さすがに渡米して学校に入ったからには、現地のかかりつけ医がいないとまずい場面もありそうだ、ということで、小児科を探すことにしました。

小学校のスクールナースに、かかりつけ探しているんだけどどこか紹介してくれる? とメールで聞いたら、すぐに近隣の病院リストを送ってくれ、そのなかからタウン内の小児科を選択(余談ながら、アメリカの小学校では担任からスクールナース、事務員に至るまで、みんな自分のメールアドレスがあり、それがウェブサイトで公表されているので、とっても連絡が取りやすくて便利です日本そうなってほしい。なお、ご近所の日本人の方によれば、ちょっと車でいけば、日本語がわかるお医者さんもいるとのことでした。

アメリカの病院は予約をしようとしてもすごーく先の日程しか取れないよ、とは聞いていましたが、ほんとにその通りで、9月4日に病院が指定する初診のフォームを提出して、予約が取れるのは最速で10月25日とのこと(!)。緊急の患者さんを診る仕組みはもちろん別途あるのですが、緊急でない手術などは1年以上待たされるのもザラだと、知り合いのアメリカ人が嘆いていました。

受付から診療、初めての医療通訳利用

当日はまず窓口で、保険証の提出を求められます。アメリカの保険に入っていないことで、のっけからハードルが高い! 日本の旅行保険にしか入っていないんだけど、というと、通常の書類に加えて、「医療費を支払う責任は私になります、もし支払いができなければ〇〇〇など(詳細忘れた)が起こることを理解しています」という念書にサインさせられました。

余裕を持って予約枠が取られているのか、全く待たされることなく呼ばれ、初診の身長・体重・視力などの健診と、予防接種の確認、食生活指導などがありました。「通訳サービスがあるけど、使う?」と聞かれ、初めての病院だし、無料だというので(笑)、使わせてもらうことにしました。診察室の電話から通訳サービスにつないで、スピーカーフォンで通訳を受けられる(通訳さんの顔は見えない)というタイプのものでした。結果的に、初診での会話は一般的なもので、ほぼ通訳要らなかったですが、「じんましんって英語でなんて言うんでしたっけ!」みたいなことをその場でパッと聞けて助かりました。

ちなみに後日、下の子が顔に湿疹ができて連れていったときは医療用語満載で、その時こそ医療通訳が欲しかったー! わからん用語と買うべき薬の名前をメモに書いてもらって、ようやく理解して帰ってきたのですが、よく考えたら通訳を頼めばよかったんですね…。

ドキドキのお会計

さて、お会計はいくらかしら、と、ドキドキしながら待合室で待っていたのですが、一向に呼ばれる気配がありません。他の患者さんを見ると、診察が終わったらそのままさっさと帰っていっています。あれ? なんかおかしい? と思って、受付で聞いてみると、「会計は保険会社から通知がありますから」とのこと。なるほど、病院から保険会社に連絡がいって、そこで補償分・自己負担分が計算されて、自己負担分を支払う、みたいなことのようです。

でも、それは当然アメリカの保険に加入していたらの話。「うちの子たちは日本の旅行保険なんですが…」といったら、「じゃあここに電話して」と、病院が契約している医療費会計専門の業者を紹介されました。病院の窓口では会計は一切扱わないようです。おぉ、日本と全然ちがう!とカルチャーショック。たぶん、入っている保険によって補償がいろいろ違うので、病院の窓口では扱い切れないんでしょうね。

確認すると、旅行中のケガや病気を補償する目的の旅行保険では健康診断は当然ながら補償外とのこと。教えてもらった会計窓口に電話して、海外旅行保険なので、全額自費で払うことを伝えると、通話中しながらその場で請求書をメールで送ってくれました。気になるお値段は、ひとり260ドル、合計520ドル(約7~8万円)。この倍くらいするかも、と思っていたので、思っていたよりは安くてよかった!(高いけど)。

「クレジットカードの番号言ってくれたら、いますぐお支払いできるよー」というので、その場で支払いを済ませ、You’re all set!、完了です。

日本でなら初診の病院でも勝手がわかっているからそんなに困ることはありませんが、仕組みが違う国で初めてお医者さんにかかるとなると何もかも手探りです。でも、全て理解していなくても、聞けば教えてくれるし、専門的なことは専門家がやってくれるので、どうにか初診を乗り切れました。小さなことがいちいち大冒険になってしまうのが、海外生活の醍醐味ですね。

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